よるがた

よるがた主婦の日記

蛙化現象は突然に

 結婚するまでに付き合ってきた人…いわゆる元カレは全員年上だった。

高校生くらいからちょっと大人な男性の方がカッコいいと思っていたし、実際に付き合う人も年上を選んでいた。

社会人になって初めてできた彼氏は7つ年上だった。

当時は出会い系サイトが始まったばかりで、今のように悪いイメージではなく純粋に出会いを求める大人たちが利用していた。そんな中、彼と私は出会った。

初めて会う日、猜疑心が強い私は待ち合わせ場所を交番の前にしたが彼はすんなり受け入れてくれ、寒いでしょとカイロを握らせてくれた優しい人だった。

愛情表現も豊かで電話やメールでも好き好き言ってくれ愛される幸せに酔っていた。

お付き合いしてから、はじめて彼の家にお泊まりすることになった夜…

彼がお風呂に入っている時、歯磨きに洗面所に行った私は衝撃を受けてしまう。

脱いだ服の中に腰痛ベルトがあったのだ。腰が悪いとは聞いていたけれど、ベルトがあまりにも衝撃すぎて固まってしまった。

そして、追い討ちをかけるように浴室から響いてきたのは鼻歌と勢いよく鼻を手で擤んでいる音。

あ…あの長身で細マッチョのイケメン年上彼氏が急におじさんにしか見えなくなってしまいショックだった。

そのあとのデートでタンクトップ一枚で現れた彼に何とも言えない嫌悪感を抱き私の恋は終わりを告げる。

意外と女子ってタンクトップ苦手な人多いよね?

 あれから時は経ち…私もいい大人になった今はなんとも思わない。むしろ腰は大事だから労わって欲しいし、なんなら妊娠中に私もベルトしてたわ。

お風呂で手鼻するのは一石二鳥だと思っているしやっている。

あの頃に戻れるなら、自分を引っ叩いてやりたい。

人間味があってこそ愛しい存在ではないだろうか。

そして、私自身が兄から「こやじ」というあだ名で呼ばれるほど、どんどんおじさん化していくのである。

 彼は今頃、どうしているだろうか…お腹が出ていても髪が薄くなろうとも幸せであって欲しい。

同じ空の下にいても会えない人がいると思うとなんだか切ない。

ドラッグストアでバンテリンを買いに行って思い出した話。